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見解・声明など | PDF

決議 米軍辺野古新基地建設はあらゆる点で破綻しており、事業を即時中止すべきである

 沖縄県名護市における米軍辺野古新基地建設のための埋立事業(以下、「本事業」という。)は、2013年12月に当時の仲井眞弘多知事による公有水面埋立承認処分が発出されて以来、7年半が経過した。政府は本事業を強行しているが、沖縄県民およびその意思を受けた沖縄県の反対により、この4月末段階でその進捗はわずか5%とされる。日本科学者会議は、政府に対し、本事業の即時中止と埋立地の原状復帰を求める。
 そもそも、辺野古新基地は「普天間基地の移設」ではなく日米同盟を強化するための新基地建設にほかならず、その建設と運用は自然生態系にも地域社会にも重大な影響を及ぼすと予測され、さらに、辺野古新基地の建設は2019年の沖縄県民投票によって明確に否定されているものである。それゆえ、本会は、政府は本事業を直ちにやめ、原状回復するよう繰り返し求めてきたところである。
 だが、「普天間代替基地建設容認」の立場に立ってすら、本事業はすでに到底容認できないものであることが明らかとなっている。
 すなわち、本事業の開始後、大浦湾海底に軟弱地盤が存在し、かつ本事業区域内に2本の活断層が発見されたことにより、「『埋立地の用途に照らして適切な場所』に適合していない」ことが判明したのだから、本事業は続行不可能である。日本科学者会議第23回総合学術研究集会における地質学研究者からの報告等に照らしても、本事業はすでに、公有水面埋立法4条1項2号でいう「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノ」ではないことが明らかである。
 沖縄防衛局は昨年4月、本件工事についての公有水面埋立法13条の2に基づく「設計概要の変更承認申請」を玉城デニー・沖縄県知事に対して提出した。しかしながら、この申請内容は、上記の軟弱地盤・活断層の問題一つをとっても、設計変更承認の要件である「都道府県知事正当ノ事由アリト認ムルトキ」に該当しないものであるから、玉城デニー知事はこの申請を拒否するべきものであり、事業継続の根拠とはならない。
 また、日本政府は、辺野古新基地建設工事に要する総工費が、当初の2310億円から2019年末の試算では9300億円へとふくれあがるとした。さらに、本事業の工期については、当初の5年間から10年間へと修正された。そのため、普天間基地の運用停止の期日も、沖縄県と政府との間で約束されていた2019年2月28日から、すでに2年以上も経過してしまった。したがって、もはや普天間基地の返還には辺野古新基地建設が唯一の道であるとの政府の説明は、客観的にも成立しなくなった。その結果、公有水面埋立法4条1項1号でいう「国土利用上適正且合理的ナルコト」との要件も、この事実によって破綻した。
 昨年の沖縄防衛局による「設計概要の変更承認申請」について沖縄県が受け付けた利害関係者の意見書の件数は17839件であり、そのすべてが「否定的な意見」であった。2019年の県民投票の結果に続いて、これらの意見書からも、民意は明らかである。
 このように、辺野古新基地建設は、あらゆる面から破綻している。政府はこのことを直視し、沖縄県民が繰り返し表明してきた意思を尊重し、辺野古新基地建設を即時中止すべきである。
 日本科学者会議は、この間沖縄県民および沖縄県の期待に応え、人文社会・自然科学の多様な知を総合して、辺野古新基地建設をはじめとする沖縄問題の解決にむけた見解を示してきた。地質学的にも、技術的にも、法的にも、とくに地方自治という観点からも、辺野古に基地をつくることはできないことを、改めて強調する。そして、これからも日本科学者会議は、アカデミーの立場から、沖縄県民および沖縄県とともに、辺野古新基地建設を許さないとりくみを続けていく。

2021年6月13日
日本科学者会議第52回定期大会

statement/20210613henoko.txt · 最終更新: 2021/06/20 15:02 by michinobumaeda

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