JSA

講演者名:奥野恒久
講演タイトル:第2回 憲法講演会
イベント名:第2回 憲法講演会
日時・場所:2006/07/14 北海道


<以下、報告>
講師は室蘭工業大学の奥野恒久氏で、大略以下のような話がされました。
 現在の日本の社会や政治の大状況として、「不安・不信におびえる国民と上滑り の政治」ということを問題にし、北朝鮮のミサイル発射に関して「金正日に感謝しなければならない」と発言した(とスポーツ新聞で報道された)外務大臣、「先 制防衛論」をふりかざしてかえって世界の中で危険な国と見られている日本のことをとりあげました。
日本国憲法は近代立憲主義の立場にたつものであるから、憲法によって国家に権 力を授けると共に権力を拘束するものであること、憲法は一般の国民が守らなければならない規範を定めたものではなく、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議 員。裁判官その他の公務員が」尊重し擁護する義務を負うものであることを述べ ました。
 以下、2.「抑圧国家」を導く改憲論、3.教育を通じての国家による国民統制 4.日本国憲法の平和主義(箕輪裁判にもふれた) 5.改憲論の最大の狙い、「戦争のできる社会」に、6、地域からおこす憲法運動 の項目に渡って述べられました。
全体で50名の参加があり、第1回めには参加されていなかった方の参加も多 かったです。「稚内 憲法を学ぶ会」を立ち上げること、9月2日に設立総会を開くこと、発起人や会員を募っていること、「会」の事務局を当面、JSA稚内北 星大学班におくことが紹介されました。
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姫宮 利融

講演者名:伊藤雅康
講演タイトル:自民党新憲法草案が語っていること
イベント名:講演会「自民党新憲法草案が語っていること」
日時・場所:2006/06/24 北海道


<以下、報告>
 6月24日(土)、午後3時から5時まで、稚内北星学園大学新館3階中教室を会場として講演会「自民党新憲法草案が語っていること」 が開催されました。  講演会は日本科学者会議稚内北星大学班の主催で市内の婦人団体や小中学校の教職員などの協力を得て「配券」し参加を呼びかけ たもので49名の参加がありました。
 講演は、札幌学院大学の伊藤雅康教授(憲法学)でした。氏は憲法調査会ができてからの主な動きと今後の予想される動きを述べた後、「背景」として
(1)日米軍事協力と構造改革にとっての障壁の除去の必要性
(2)衆参両院の憲法調査会の設置とその活動
(3)「新世紀」ムード
を指摘しました。
 「改憲案」については「そもそも憲法は、現状と一致するものではない」「憲法規範は制定時の願いの現れであり、長い先を見据えたもので、社会の変化にある程度は対応できる柔軟性を持つ」(「ずれが一番大きかったのは制定時かもしれない」)ことをのべました。また、全体的な特徴として「憲法が『国家権力への縛り』であるという性格を相対化している」こと、「対象は9条だけに留まらない」ことを指摘しました。現行の憲法と自民党「新憲法草案」の対照の詳しい資料が配られ、財政・地方自治などの「変更点」についても細かい質問がでました。
 今後、7月14日に室蘭工業大学の奥野恒久さんに第2回講演会として「憲法・教育基本法のゆくえ」という主題で講演をお願いしています。(姫宮利融)