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「49・50・51期のおもな研究テーマや活動予定

日米同盟下での基地・安全保障問題および平和憲法擁護・活用の問題、核兵器廃絶問題、米国の核戦略のために推進された"Atoms for peace"政策として始まった核エネルギー利用体制と放射線影響評価の問題といった、既往の対象への研究活動を維持しつつ、3.11後また安倍政権成立後の現在の日本における科学者運動にふさわしい平和問題の課題を探求し、研究テーマとする。

平和問題研究委員会の活動

「日本の科学者」2003年10月号より

日本の軍事力に注目する

 平和問題研究委員会は,今期12支部17人のメンバーでとりくむことになりました.当委員会は,例年,年2回のシンポジウム,原水爆禁止世界大会及ぴその関連行事である科学者集会への協力などを主な活動スタイルにしています.また総合学術研究集会のある年には,平和の分科会運営に参加するようにもしています.この間,イラク戦争を焦点にしながら世界の政治情勢が大きく変化を見せています.当委員会は5月の段階で,イラク攻撃が米英による侵略戦争であったこと,世界平和を願う国際世論がかつてなく高まっていること,アメリカの横暴をやめさせる中心点が核兵器の廃絶にあること,イラク戦争を支持するなど日本政府が世界平和に背を向けつつあることを確認しました.そして,核兵器問題や新保守主義など国際的課題を分析すると共に,日本の軍事力についても研究対象としていくことにしました.今や予算的には世界第2位の軍事力を持つ日本が,米英と結託して世界平和に敵対するならば,その影響は大きなものがあります.それを押しとどめるための方向を提起するのがその目標です.
 当面,10月下句(25日)に東京で,日本の軍事力をめぐるシンポジウムを企画しています.日本の軍事力の国際的評価,有事法制などが果たす政治的な意味あい,諸外国から見た日本の軍事力への懸念など,さまざまな角度から討論をしたいと考えています.また,平和に関する出版活動も行っていく予定です.「日米安保からの脱出」を展望するものにしたいと考えています.なお,当研究委員会への要望や提案があれば,JSA事務局へお知らせ下さい.また当研究委員会に参加を希望される方もお知らせ下さい.一年毎に新メンバーの補充をしています.


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 平和問題研究委員会は、1997年5月に、それまであった軍縮問題研究委員会を改組して創設された委員会です。1991年のソ連崩壊後若干期間平和問題での研究活動が弱まったことがありましたが、アメリカの世界戦略の構築などの情勢をふまえた平和研究の再出発です。

<研究活動の概要>
1. 公開シンポジウム
 本委員会の中心的活動は、委員会メンバーを中心とした、日頃の研究成果を公開シンポジウムの形で発表し、社会的な啓発となることを目標とするものです。年に2〜3回、主に東京で開催します。1回参加され名簿に登録された方には、その後の情報が郵送されます。
 これまでに行われたテーマは、「軍事基地と日米安保の危険性(98.4)」、「日米安保条約と核兵器廃絶(98.6)」、「核兵器廃絶をめざして(98.10)」、「アジアの平和と日本の選択(99.1)」、「日本の平和−20世紀の教訓と21世紀への展望(99.9)」、「日本の対米従属の構造(00.4)」、「核兵器廃絶へ向けた諸課題と展望(00.10)」、「いま日本の平和を考える(01.4)」、「アメリカのミサイル防衛計画と日本の選択(01.9)」、「日米安保50年目と有事立法(02.4)」です。この他に2年に1度、日本科学者会議が開く「総合学術研究集会(公開)」でも平和の分科会に参加をします。

2. 沖縄米軍海上基地調査
 1997年に政府は沖縄米軍の普天間基地の移転先として名護市(辺野古)沖の海上基地を新設することを提言、名護市は住民投票で判断することにしました。日本科学者会議に対し平和団体より学術調査団派遣の要望があり、本委員会のメンバーが中心となり、同調査を4月と9月に行い、その自然的・社会的影響が大きいことを発表しました。このこともあり、同年12月の名護市住民投票では反対票が過半数を占め、基地計画はいったん頓挫しました。
 ところが政府は、その後の名護市長選・県知事選での変化を受けて、再び2001年に新たな提案を行ってきました。これは前の計画よりも大規模なものでした。この時も再度の学術調査が要望され、今回は本委員会がその役割を受けました。再度の調査でも大きな影響があることを確認し発表しました。またこれら調査と併せて、2000年3月には沖縄県知事と名護市長に公開質問状を出し、県知事からは回答を得ています。これらについては、日本科学者会議沖縄支部のページ(〜基地問題)に掲載されています。
 ○JSA支部ページへ (http://www.jsa.gr.jp/contents/branch.html へのリンクを挿入)


3. 研究結果にもとづく声明等の発表
 平和問題での社会的変動は激しく、日本科学者会議としてもしばしば声明を発表しています。沖縄基地問題等の具体的な課題については本委員会名で出しますが、日本科学者会議名の声明においても、しばしば本委員会又は委員が起草する役割を担っています。

以上(文責・河井)