[研究者の権利・地位宣言](仮称)作成のためのアンケートのお願い

                           日 本 科 学 者 会 議

趣旨

 国立大学法人法が成立し、いよいよ2004年4月から国立大学法人がスタートすることに

なりました。これにより国立大学の教職員は公務員ではなくなります。この法人化によっ

て大学の自治や研究教育の自由が侵される恐れのあることは国会審議中にも露呈されまし

たが、教職員の権利や身分も危うくなる恐れがあります。公立大学にも法人化の動きが広

がり、横浜市大には「法人化しなければ廃校だ」という脅しがかけられ、東京都立大学で

は現在の都立4大学を廃止して「首都大学東京」という新構想の法人大学を作るという案

が大学側の意向を無視して石原都知事から突然示され、現在都立大学に勤務している教職

員の身分が脅かされています。すでに独立行政法人化されている研究機関では、研究者の

身分や権利の侵害が起こっており、法人化に伴ってこれが国公立大学へも波及することが

予想されます。


 私立大学では以前から権利侵害が起こっていましたが、最近の受験生減少による経営危

機のなかで解雇や不当配転などの権利侵害が増加しています。民間の研究機関の状況はあ

まり明らかではありませんが、おそらく権利侵害はやはり増加しているものと思われます。

労働法規の改悪も進められているときだけに、権利侵害の危険はいっそう大きいと見なけ

ればなりません。


 そこで日本科学者会議は先の第35回定期大会において「科学者・技術者の権利侵害・権

利問題の分析・討議を発展させる。あわせてアンケート調査などを行う。これらを通じて

『科学者・技術者の権利・地位宣言』(仮称)の作成を進める」ことを決定しました。こ

のアンケート調査によって現在科学者・技術者が置かれている権利状況を点検するととも

に、科学者・技術者自身の権利意識を高め、その侵害に対してたたかうためのよりどころ

となるような「宣言」あるいは「憲章」のようなものを作成したいと考えています。



以上のような趣旨にもとづいてアンケート用紙をお送りしますので御協力をお願いします。


* アンケートを配布するのは分会ないし班どまりとし、必要に応じて個人(会員以外

でもかまいません)まで配布してください。またJSA の分会や班だけでなく大学や研究

機関全体あるいは地域の状況にも目を向けてお気づきのことがあれば書き添えてくださ

い。


* 最近数年ぐらいの間に権利侵害と思われる事例がありましたら以下の質問に答える

だけでなく、事例の内容を簡単にご報告ください(プライバシーにかかわるときは匿名

でも結構です)。


* アンケートの結果を集約して本年11月に京都で開かれる第15回総合学術研究集会で

発表したいと思っていますので、7月末日までに日本科学者会議全国事務局あて
ご回答

くださるようお願いします。