JSA

JSA大分支部

掲載日: 6月30日 西日本新聞
7月 1日 大分合同新聞
7月 1日 毎日新聞
7月 6日 読売新聞
7月21日 朝日新聞


朝日だけは意見の書き方が少し違います。朝日がつくる会の広告を断ったので、つくる会と特定することを避けなければ載せられないとのことだったので、やむをえず変えました。

 ☆7月6日付の中国の人民日報に、この意見広告のことが紹介されました。
 

      私たちは、「あぶない教科書」の採択に反対します

 「新しい歴史教科書をつくる会」編集・執筆による中学用教科書「歴史」と「公民」は、去る四月三日文部科学省の教科書検定に合格し、来年度からの教科書として採択される可能性がでてきました。
検定によって「歴史」一三七カ所、「公民」九九カ所が修正されたものの、この教科書の問題性は解消していません。歴史学研究会など歴史関係二一学会は、「全般にわたって、初歩的な誤り、不正確な記述、とうの昔に否定された学説に依拠した記述が目立つ」と指摘し、また、「共生の未来を築くために必要な、生徒の歴史認識や国際認識が阻害されることを憂慮する」と厳しく批判しています。
「つくる会」教科書は、日本を国際社会から孤立させ、次世代の日本国民を育成する道を誤らせる「あぶない教科書」と言わざるをえません。
私たちは教科書採択関係者に、この教科書を採択することのないよう強く要請します。

アジア太平洋戦争が侵略戦争だったことを認めない教科書
 「つくる会」の歴史教科書は、アジア太平洋戦争を「大東亜戦争」とよび、それが侵略戦争だったことを否定し、アジア解放のために役立った戦争として美化する立場をとっています。またアメリカとの戦争も日本にとってやむを得ない自衛戦争だったとしています。「韓国併合」・植民地支配についての反省はなく、むしろこれを正当化しています。「従軍慰安婦」の記述はなく、南京大虐殺についても否定論の立場を一面的に主張しています。日本の植民地支配と侵略戦争がアジア諸国民を中心に多大な人命を奪い、耐えがたい苦痛と損害を与えた歴史的事実を正確に認識しようとせず、それに対する誠実な反省がまったくありません。

国際公約に反する教科書
 アジアへの「侵略」を「進出」に書きかえさせた教科書検定が国際問題となった一九八二年、政府は、「近隣のアジア諸国との近現代史の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の配慮がなされること」という「近隣諸国条項」を教科書検定基準に設けて、問題の解決をはかりました。「つくる会」の歴史教科書は国際公約としてのこの「近隣諸国条項」の精神に反します。また、アジア諸国に与えた「多大の損害と苦痛」に対しお詫びと反省を表明した村山首相談話(九五年)や、「両国民、特に若い世代が歴史への認識を深めることが重要」とした日韓共同宣言(九八年)を踏みにじるものです。

神話を歴史的事実と思わせ、偏狭な愛国心を植え付ける教科書
 神話をあたかも史実のように描いています。「神武天皇東征」という神話に基づく地図を、戦前の国定教科書「国史」同様に掲載しています。日本の歴史を天皇の権威が一貫して存在していたかのように描いている点も史実と異なっています。
 一方で、中国や朝鮮が欧米や日本によって植民地化・半植民地化されていった原因は中国や朝鮮にあったかのような記述をするなど、近隣アジア諸国の歴史を根拠もなく侮蔑的に記述しています。日本国家を優越的に描き、偏狭な愛国心を植え付ける教科書は国際友好に反します。

日本国憲法を敵視する教科書
 天皇を絶対化し、日本国民を侵略戦争に駆り立てる原動力となった教育勅語(戦後の国会によって廃止・失効となった)をほめ讚えて全文掲載し、再び教育現場に持ちこもうとしています。一方で、第九条(戦争の放棄)「改正」論を基調に、国防の義務、国家への奉仕を強調するなど、日本国憲法を敵視する内容になっています。また「つくる会」の「公民」教科書も憲法第九条「改正」論を誘導し、良妻賢母をうたって男女共同参画社会づくりに逆行する主張をしています。これらの記述は国民主権、平和主義、基本的人権の尊重、男女平等などの憲法の理念とあいいれません。

「あぶない教科書」を子どもたちに渡してはならない
 現在、来年度用教科書を採択するための作業が始まっており、七月下旬頃にも決定が行なわれます。従来の教科書採択では教員が、教科書の研究・評価などを通じて教科書の採択決定に重要な役割を果たしてきました。「つくる会」やその協力団体は、教科書採択手続きから教員を排除することを主張していますが、ILO・ユネスコの共同勧告(一九六六年)や日本教育学会の見解でも、教科書採択における教員の役割の重要性が認められています。
私たちは、教員の研究・評価を排除した教科書採択によって、「あぶない教科書」で子どもたちが学ぶという事態が生じかねないことを憂慮しています。私たちは、大分県下各地域での教科書採択にあたっては、このような「あぶない」教科書を採択することのないよう教科書採択関係者に強く要請します。

              「あぶない教科書」の採択に反対する意見広告をすすめる会